スチール・ギターのコード 初級編

スチール・ギターのコード 初級編
スチールギターでコードを弾きます。スチール・ギターは、メロディーを弾くプレイと、バッキングを弾くプレイ、主に2つの弾き方があります。バッキングを弾く場合は、コードを弾くとことになりますが、バーを使って押弦しているため、ギターのように自由にどんなコードでも弾ける訳ではありません。スチール・ギターのコード・フォームについてみてみましょう。

スチール・ギターのコード・フォーム
スチール・ギターは常にバーを持ってプレイします。従って、同時に発音させる事のできる音は、同フレットの音に限ります。(スラント・ポジションや開放弦を使った特殊なプレイは、ここでは無視します)また、ストロークをしない限り、最大発音数は3音です。この制限の中、必要な音をチョイスしてコードを弾く事が、スチール・ギターのコード・フォームの基本になります。

Bar2
▲バーを使って弾くので、同一フレットの音しか鳴らせない

メジャー・コード
まず初めに、メジャー・コードのフォームを覚えましょう。チューニ ングはC6、6弦のスチール・ギターで説明します。同フレットでしか音を鳴らす事ができませんが、スチール・ギターのチューニングはオープン・チューニン グなので、○○6コードを鳴らすことは簡単です。一箇所のフレットでどの弦を弾いても何かの6thコードになります。「何フレットが何コードになるか」これは、覚えなければなりません。

6thコードはメジャー・コードのトライアド(3和音)に6thの音を追加したコードです。6thの音は3弦にあります。従って3弦を抜いて弾くと、メジャー・コードのトライアド(3和音)を作る事ができます。3弦を抜いた3本の弦のパターンは、以下の3つになります。これが、メジャー・コードになるわけです。右手を見ないでこれらのコードを弾く事ができるようにピッキングの練習はしておきましょう。

メジャーコードポジション図

12フレットはコードCのポジションです。12フレットにバーを構えて、3種類のCコードを弾いてみましょう

Cメジャーコード

コードの覚え方
フレットを持つ弦楽器は全て、開放から12フレットで1オクターブになりま す。12フレット以降は、0~11までの写しなので、ポジションを覚える際には0~11フレットを覚えれば良いです。しかし、開放弦は、バーを使って弾くわけではないの で、初めの段階では抜いて考えた方がいいです。0=12フレットとして、1~12フレットを覚えましょう。

コードを覚えるポイントとして、初めに、♯や♭の付かないコードを覚えます。一度に12個分を覚える事は難しいですし、あまり意味のないことです。CDEFGABの7個が解っていれば、応用で次第に解ってきます。初めの7個を覚えます。

コー ドを覚えるポイントの2つ目、使う頻度と組み合わせで覚えます。コードやコード進行は、理路整然としています。何の裏付けもなくコードが進行する事はあま りないものと思っておきましょう。要するに、1曲に使われるコードの組み合わせはほぼほぼ決まっていると言ってしまっても過言ではありません。関連を持って覚 えると、1つのパターンとして覚える事ができるので、非常に簡単になります。具体例を表にしてみました。

Key=Cで使われる主要3和音
トニック サブドミナント ドミナント
C F G
12フレット 5フレット 7フレット

Keyに対して、主に使われるコードは3つです。トニック、サブドミナント、ドミナントの用語はここでは無視してしまって良いです。 Key=Cの場合、使われる主なコードはC、F、Gの3つになります。この3つを初めの1セットとして覚えます。初めに覚えるべきコードはこの3つだけで す。コレだけで、結構な曲数を弾く事ができます。

それぞれのコードのフレット番号を覚えましょう。Cコードは12フレット。Fコードは5フレット。Gコードは7フレットです。各フレットで、3弦を抜いてコードを弾きます。3つのコードを覚える事ができます。

KeyC3コード

少しずつ増やす
各Keyごとにコードを覚えていきます。3つを常にセットで考えておくと、先々便利です。初めに覚えるべきKeyは以下の通りです。

Key トニック サブドミナント ドミナント
G G C D
7フレット 12フレット 2フレット
A A D E
9フレット 2フレット 4フレット
D D G A
2フレット 7フレット 9フレット
E E A B
4フレット 9フレット 11フレット

Keyごとに4つのセットを覚えますが、コードによって重複しているものもあるので、フレット番号を覚えるのにストレスがあまりないハズです。これら全てのコードを弾くと、初めに目標としていた7つのコードが全て網羅されていることがわかると思います。更に絞り込むと、ハワイアンでよく使われるKeyはC、F、G辺りです。カントリー系では、A、Eをよく使います。自分の弾きたいジャンルに合わせて、そこから順に覚えていくといいでしょう。

フレット一覧
各フレットとメジャー・コードの位置はこのようになります。1フレット進めば♯、ヘッド側に戻れば♭の付いたコードになります。

メジャージャーコード全ポジション図
▲ポジション2で各メジャー・コードを弾くと●の位置になります。

マイナー・コード
マイナー・コードは、メジャー・コードのフォームとは異なります。C6チューニングでは、マイナー・コードにとって7thである4弦が邪魔な弦になり、以下のようなフォームで弾く事になります。メジャー・コード同様に、右手を見ないでも目的の弦を弾く事ができるように、ピッキングの練習はしておきましょう。

マイナーコードポジション図

マイナー・コードのポジション
マイナー・コードのフレット・ポジションは、メジャー・コードの3フレット上に位置しています。Fmを例にとると、Fメジャー・コードが5フレットなので、3フレット上の8フレットがFマイナーのフレット番号になるということです。Emは、E(4フレット)の3つ上7フレットです。7フレットのメジャー・コードは、Gメジャーでした。GメジャーとEマイナーは平行調の関係にあります。コードに詳しい方は、このように解釈してもいいです。解らない人は読み飛ばして下さい。メジャー・コードのポジションは、常に平行調のマイナー・コードと同じポジションである事がわかります。Cメジャーの12フレットは、平行調のAmのポジションでもあります。

マイナーコード全ポジション図
▲ポジション2で各マイナー・コードを弾くと●の位置になります。

セブンスコード
セブンス・コードはメジャー・コードに7th音を追加した4和音です。C6チューニングでは同一フレットに並ぶ音は6thコードの構成音のため、7thの4和音を同時に発音させることはできません。そこで、3和音、2和音に分けて、組み合わせて鳴らした結果7thコードに聞こえるようにします。ここらが、スチール・ギターのコードの弾き方としてやっかいな所です。

コード・トーンで弾くセブンス・コード
まず、7thコードのコード・トーンを考えます。G7のコード・トーンはG、B、D、Fです。同一フレットに、この4音が並んでいるフレットはありません。

G7のコードトーン

「F」音を省略して、コードGとして鳴らす事は出来ますが、G7の”7”の響きがなくなるので、7th感がなく、あまり意味をなさないです。そこで、7thである「F」音を鳴らせ、且つ、G7のコード・トーンが同一フレット上にある場所と弦を探ります。Gコードの7フレットに近い場所では、5フレットの2、3弦、「F」と「D」音があります。コレを7thコードの要素として弾くと、G7コードらしい響きになります。

7フレット周辺のG7メジャー・コードの時に覚えたドミナントのコードは、7thコードを使う事が多いです。Key=Cならば、GコードはG7になります。各Keyの7thコードを確認しておき、やはり3つのセットで覚えておくといいでしょう。

コード進行の定石
コード進行には幾つかの決まりや、定石があります。中でもドミナント7thからトニックへの進行は非常に良く使われる「ドミナント終止」と呼ばれる進行です。7thコードを覚える際、コード単体で覚えるのではなく、次に続くコードへの流れを覚えておくと実用性があります。コードは、曲の中で、単体のものとして存在してはいません。必ず、コード進行という流れの中の一つの要素としてあります。ドミナント・コードは、常にトニックへ行きたがっています。ドミナントを弾く時は、トニックへ進行できるようにしておくといいでしょう。

コード進行

初級編終わり
コード・フォームとして、3つのコードを紹介しました。殆どの曲がこの3つのコードで弾く事ができます。更にバリエーションを増やす為に、中級編に取り掛かる前に、スラント・ポジションの練習をしておいて下さい。コードは、理論でできています。感覚では理解できません。そして、幾つもの理論が繋ぎ合わさると、コードが解ってきます。決して慌てずに覚えていきましょう。また、コード表を見てフレットを確認して弾く事は、本来の演奏能力とは言えません。タブ譜を丸覚えしていても同様です。フレット番号とコード・ネームをの関係を記憶しましょう。12フレットまで、全てを記憶しましょう。覚えるのに時間がかかる事は問題ではありません。しっかり覚えた時に、コードが弾けたという実感が沸くと思います。気長に頑張って下さい。

→スチールギターのコード 中級編
→ハーモニーの練習 1回目
→ハーモニーの練習 2回目

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