スチールギターでメロディーを弾く 2回目 フェイク

guitartvスチールギターでメロディーを弾く フェイクについて

スチールギターでメロディーを弾く練習2回目です。お題は前回と同じハワイアンのトラディショナル「PAPALINA LAHILAHI」を弾いてみます。

withanthメロディーにフェイクを入れる
フェイクとはメロディを装飾するために簡単な変化を付け加える事を言います。フェイクの入れ方は色々ありますが、できるだけシンプルでプレイする上で無理のないものを少しだけ入れるのがポイントです。あまり沢山のフェイクを入れたり、フレーズそのものを大きく変える複雑なプレイは望ましくありません。

withanthフェイクの方法
スチールギターでのフェイクの基本はグリス・アップです。スチールギターにとって、あまりに当たり前のフェイク・テクニックなので、もはやフェイクと言って良いかもわかりませんが、グリスアップをマスターすることが何よりの基本スタイルなので、よく練習しておきましょう。

グリス・アップは、あるメロディに対して、その音程よりも低い所からピッキングをして、目的の音程へバーを上げてしゃくり上げるような装飾を付けるプレイです。下の譜例のように表記します。
グリス・アップのフェイクを入れる場所は、基本的には自由です。演奏者のセンスに任されています。しかし、この手のフェイクの多くの場合、フレーズの冒頭や、キモになる部分の冒頭、ポジションが変わる冒頭に入れることが多いですが、どれもこう弾かなければいけないというものはありません。

音程を高い所から目的の音に下げてくる逆パターンのフェイクもありますが、これは、かなり高等なテクニックです。下がりラインのフェイクを入れてフレーズを活かすのは、フェイクにかなり慣れていないと良い効果を得ることができません。まずはグリス・アップをしっかり弾けるようにしましょう。

withanthPAPALINA LAHILAHI+グリス・アップ

実際にグリスアップを入れたパターンを見てみましょう。

 

スチールギターのチューニングはC6「ECAGEC」(1弦~6弦)です。入門編として、あまり沢山のフェイクを入れていませんが、この位でも充分変化を感じることができると思います。

ico_musical_note1d_4POINT-1
グリス・アップするスピードは完全に演奏者に任されます。ゆったり大きくリズムを取るようにすると雰囲気が良くなります。慌ててバーを動かすと「せかせか」した演奏に聴こえるので注意しましょう。

ico_musical_note1d_4POINT-2
フェイクは入れすぎると邪魔に聴こえます。ポイントを決めて、少しだけ入れるのが自然に聴こえますので、入れすぎには注意しましょう。

ico_musical_note1d_4POINT-3
フェイクはあくまでグリス・アップで入れます。グリス・ダウンで入れるのは難しいので、慣れてからにしましょう。グリス・アップの練習をしっかりしておいて下さい。

 

guitar7装飾音
メロディーに装飾音を付ける方法は、古くバロックの時代からあります。スチールギターでもこれらの装飾音を使う事があり、特に良く使われる装飾音の方法を紹介しておきましょう。スチール・ギターで使われる装飾音の一つにモルデントがあります。通常のモルデントのように短い装飾音を入れるのではなく、イン・テンポでフレーズとして組み込んでしまうパターンが多いので、モルデントと言い切ってしまうのは問題があります。

音形はモルデントと同じで、下のようにメロディーの半音下の音をテンポに合わせて差し込み、元の音程に1往復で戻ります。ピッキングは最初の1音だけで、バーのスライド移動だけで音程を変化させます。スチールギターで使うこの方法は、半音下の音を使うことに限られています。スケール音は一切気にせず、とにかく主旋律の半音下を飾りとして入れるということです。

装飾音を入れることで、次のメロディーのリズムが合わなくなることもあります。その場合元のメロディーの音を半拍ずらしたり、装飾音を素早く弾いて”つじつま”を合わせるようにします。この程度のリズムの変化は自由にしてよく、決まりはありません。つじつまさえ合っていれば演奏者のセンスに任されるものと思っておきましょう。

withanthPAPALINA LAHILAHI+装飾音

ハーモニー、フェイク、装飾音を入れたパターンで弾いてみましょう。3小節目は2拍目頭にG音のメロディーがありましたが、1拍目に装飾音を入れた都合、2拍目裏拍にメロディー音をずらしました。1拍目の装飾音を3連で弾く方法もありますが、どちらでも間違えではありません。

 

 

フェイクや装飾音はあまり沢山入れすぎると、元のメロディーの雰囲気を崩してしまうので、入れすぎには注意しましょう。ここで取り上げた2つの方法は、スケールの概念が無くても弾く事のできるものです。主旋律に対してグリス・アップをする、主旋律に対して半音下の音を引っ掛けるように弾くものです。これらのテクニックはスチールギターを弾く上でとても大事で、色々なアプローチを生み出すことができるので、しっかりマスターしておきましょう。また、色々な曲でこれらのフェイクを入れて弾いてみる練習をしてみましょう。

金髪センセー

lesson→スチールギターでメロディーを弾く 1回目

→スチールギターハーモニーの練習

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