スチールギターで使うエフェクター

スチール・ギターで使うエフェクター
スチール・ギターで使うエフェクターにはどんなものがあるのでしょうか。よく使われるもの、専用のもの、特別な時に使うもの、エフェクターには様々な種類がありますので、代表的なものを掻い摘んで見てみましょう。

エフェクター
エフェクターはスチールギターのサウンドにエフェクト(効果)を加えるものです。エフェクトには幾つか種類があり、大別して分けられていますが、スチールギターで使うのは主に3種類、ダイナミック系、モジュレーション系、空間系です。具体的な効果について見てみましょう。

空間系のエフェクター
スチールギターで使う空間系のエフェクターはリバーブディレイです。リバーブはアンプに内臓されているスプリング・リバーブ、デジタルシュミレートしたHall、Room、Plate等があります。ディレイはデジタル・ディレイと、アナログ・ディレイ、テープ・ディレイ等があります。

リバーブ
リバーブは残響を加えるエフェクターです。スチールギターで使用する場合、アンプに内蔵されたリバーブを使うのが楽です。外部エフェクターを使う場合、Hallなどの空間の広いリバーブを使うのが良いでしょう。

Springはアンプに内蔵されているリバーブです。バネを振動させて残響を得ています。下の写真はアンプに内蔵されたリバーブを見た所です。バネが張ってあるのが解りますね。

Hallはコンサート・ホールの響きをデジタル・シュミレートしています。広がりと奥行きがあり、ゴージャスな空間を演出することができる。スチールギターにもマッチしたリバーブです。

Roomはリバーブ・ルームをシュミレートしています。リバーブ・ルームは残響を得るために特別に作られた部屋です。リバーブ・ルームでプレイしているような残響音を得ることができるのがRoomです。ホールに比べ空間が狭く締まった音になります。

Plateはプレート・リバーブをシュミレートしています。プレート・リバーブは、鉄板に音を反射させて残響を得るエフェクターで、実物は巨大な鉄の塊りで、実用性が無いため、現在では殆どデジタル・シュミレートです。高音域に少し癖のある音が特徴です。

Strymon Blue Sky
ラック式を思わせるくらいクリアで質の良いリバーブ。透明感のあるサウンド、奥行きがあり空間の広がりも文句なし。スチールギターのサウンドに完全にマッチしており、外部リバーブを使うなら必ず試しておきたい一品。

T-Rex RoomMate
のリバーブ。密度の濃いリバーブ音で4種のキャラクターを選べる、使い勝手の良い機種。真空管を搭載しており、より自然な響きを得ることができる。ナチュラルなサウンド感でスチールギターにもマッチしている。


ィレイ
ディレイはいわゆる山びこ効果を付けるエフェクターです。音を鳴らすと、一定時間後にその音が山びこになって返ってきます。処理の仕方によって以下の種類があります。

アナログディレイは、コンデンサー素子による蓄電作用を利用して音を遅延させています。ディレイ音が柔らかな音になります。素子の要領の都合で、短い時間での作用しかないですが、自然な残響を得られるのが特徴です。スチールギターにもマッチしています。

Boss DM-2
アナログディレイのマイルドな音色を安定して得ることができる。アナログディレイの中では長めのディレイ音を得ることができるので、リードプレイにも使いやすい。コード・プレイに深みを出すこともでき、スチールギターのサウンド感にもマッチしている。

デジタルディレイは、原音をデジタルサンプリングして、遅延時間に合わせて再生する事でエフェクト効果を得ます。原音に対して忠実なディレイ音が返ってきて、クリアな音質が特徴です。遅延時間も長く設定できます。ペダルスチールでチキンピッキングをする等、特殊なプレイも可能になり、特にリードプレイをする際には欠かせないエフェクターになるでしょう。

Boss DD-7
コンパクトタイプのエフェクターでもクリアなサウンドと操作性、ロングディレイも出す事ができるベストセラー機種。クリアなサウンドはスチールギターにもマッチしている。

テープディレイは、アナログテープを録音媒体に使い、テープの物理的な長さによって遅延をさせています。録音ヘッドに対して再生ヘッドの位置をずらすことによって遅延時間を調整できます。独特なローファイサウンドになりますが、テープの寿命やヘッドの手入れ等の手間から、現在ではあまり使われなくなっています。

Roland RE-150
テープ・ディレイの名機。深みのある独特なサウンドは唯一無二で根強い人気の機種。ディレイとしてよりもリバーブとして使う用途の方が多いが、いずれにしても空間系の強力な一品である。

スチールギターで使う空間系エフェクターは、アンプの内臓スプリングリバーブが最低限必要なエフェクターです。ソロ・プレイ用にデジタル・ディレイを用意しておいてもいいでしょう。リバーブに拘って外部エフェクターを使うならHallリバーブ、残響に個性を持たせるためにアナログディレイ等を用意しても良いでしょう。


ダイナミック系エフェクター
ダイナミック系エフェクターはコンプレッサーを使います。コンプレッサーは音量の圧縮をして出すぎる音を抑え込む効果があります。ピッキングが潰れたような独特なコンプサウンドをうみスチールギターの音にマッチしています。これは必須ではないですし、設定も難しくむやみにかけても良い効果は得られないので、音作りやエフェクターの事がよく理解できてから使うといいでしょう。また、コンパクト・タイプのエフェクターは高価なモノが多いのも初心者向きではない要因です。

Providence Velvet Comp
クリアで自然なコンプ感が特徴。癖のないコンプで、ピッキングの粒立ちだけを綺麗に整えたりする事ができ、スチールギターにもマッチしています。

Diamond Comp
あっさりした自然なコンプから、強烈なアタック感を生むことも出来る。EQコントロールと組み合わせるとかなり多彩な音色を作る事ができる。カントリーで弾くペダルスチールの強烈なアタック感をつくったり、ラップスチールでゆったりとしたハワイアンを弾く時のマイルドな音色を作ること等もできる。

MXR DynaComp
パキパキしたアタック感が特徴のコンプ。海外プレイヤーには結構人気の機種で安価で入手しやすいのも良い所。カントリー系のサウンド感に向いている1台。


モジュレーション系
通称揺れモノとでもいいますか、音を揺らす効果を得られるエフェクターです。揺らし方によって種類が分けられています。スチールギターで標準では使いません。場面ごとの特殊な効果として使いたい時に使用するといいです。

コーラスは揺れモノ系エフェクターの代表です。何重もの音を一度に出した時のような揺れを得るエフェクターです。透き通るようなアルペジオを弾いたり、コードに独特な揺れを付けたい時に使います。揺れモノの中では最も使えるエフェクトでしょう。

Boss CE-5
ステレオ仕様のコーラス。JCアンプの豊かな響きを彷彿させる広がりのあるサウンドが特徴。透き通るような綺麗なコーラス効果が得られる。

Arion Stereo Chorus
安価なエフェクターながらしっかりとしたエフェクト効果を得られる一品。揺れの強く深いコーラスも作る事ができ、コスパに優れた機種。


ブースター
文字通り音をブーストするエフェクターです。パワー感やドライブ感を増すために使われます。コレを通す事でアグレッシブなサウンドを作る事ができ、また、ギターの音色そのもののキャラクターを決めることもできます。ブースターを噛ませることで、音が歪むモノも多いので、クリーン・ブースターとも呼ばれる歪みの起きないエフェクターを使う必要があります。

GoodRich MatchBox 7A
これは、スチールギター専用のバッファー・プリアンプです。ブースターの類ですが、トーンコントロールもでき、ギターの根本のサウンドキャラクターを作り上げる事ができます。スチールギターの足に装着する事ができ、演奏中の操作もしやすいですが、電池駆動しかできず、電源ON時のLEDも付いていないのが難点です。

Xotic RCブースター
クリーン・ブースターの代表機種です。スチールギター本来の音質をそのままにブーストしてくれます。EQコントロールもよく効き、音作りしやすいのもいいです。Gainを上げると軽くクランチするので、色々なジャンルで使うこともできます。

スチールギターにとっては、空間系のエフェクター、コンプレッサーは必須アイテムと言えます。ここで取り上げた以外のエフェクターも多く販売されていますので、色々ためしてみて、自分の音を追及してみましょう。

金髪せんせー


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