ウクレレ ディミニッシュコードについて

ウクレレ ディミニッシュ・コードについて

ディミニッシュ・コード、dimと表記します。難しそうな名前ですね。ウクレレはdimコードが大好きです。ウクレレを弾いていると頻繁に登場する、このディミニッシュ・コードについて考えてみましょう。

ディミニッシュ・コードの押さえ方

ディミニッシュの押さえ方はこのようになります。

dim3ウクレレでディミニッシュ・コードを押さえる時は、このフォーム以外の押さえ方はありません。CdimでもGdimでもEdimでも、全てこの押さえ方になります。覚えやすいですね。

●コード・フォームは上記のダイアグラムの通り。これ以外のフォームはありません。

●押弦している各弦の音に、ルート音が入るポジションが、そのディミニッシュ・コードになります。

ディミニッシュ・コード

ディミニッシュ・コードにも、12音分のルート音があり、Cdim C#dim Ddim Ebdim・・・・12種類の表記があります。これらルート音によって、押さえるポジションが異なります。では、CdimとGdimとEdimと、それぞれディミニッシュ・コードの違いは何なんでしょう。

dim_codeetc_dim

Cdimを見てみる

ダイアグラムのフォームを押さえて、4つの弦の何処かにルートであるC音を押さえられる位置まで、フォームを維持したままポジションをズルズルずらします。
小指で1弦3フレット、C音を押弦出来るポジション(3232)これがCdimです。人差指で4弦5フレット、C音を押弦できるポジション(6565)もCdimです。中指で2弦8フレットC音を押弦出来るポジション(9898)もCdimです。初めの3フレット・ポジションだけ解っていればOKです。

※(3232)の表記は、1弦から順に押えるフレットを表しています。1弦3フレット、2弦2フレット、3弦3フレット、4弦2フレットを押弦するという意味です。

Cdim3

では、Adimはどうなるでしょう。
A音を4弦2フレットで押弦できる3232のポジションがAdimです。

Adim3

そうです。CdimとAdimは同じ押さえ方になります。Cdimを押弦している時、2弦はF#、3弦はEbになりますね。つまり Cdim=F#dim=Ebdim=Adimです。全て同じ押さえ方になります。

ポイント

C=F#=Eb=Aを覚えてはいけません。ディミニッシュのコード・フォームと、指板上の何処が何の音になるかを覚えましょう。始めは、0~3フレットまで、指板と弦の音を覚えればいいです。まずは開放の音を覚える。これは必須です。

Fdimを見てみる
2弦1フレットのF音を中指で押弦できるポジション(2121)でフォームを押さえます。Fdimの完成です。同じポジションで Fdim=Bdim=Ddim=G#dimであることがわかります。

Fdim3

▲Fdimのポジションです。1弦1フレットF音をディミニッシュのフォームで押弦できる事がわかります。

withhaibGdimを見てみる
G音がルートなので、ディミニッシュのフォームでG音を押弦できる場所は?2弦3フレットでG音を押さえてみましょう。4343となりました。これもGdimです。間違えではないですが、もう少し効率のよい押さえ方があります。

Gdim4

▲Gディミニッシュのフォームです。

G音を4弦の開放で鳴らすように考えてみましょう。ズルズルフォームをずらしていくと、人差指と中指がナットから外れてしまいます。2弦と4弦はナット君に押さえてもらうことにして、1弦と3弦を人差指と中指で押弦しましょう。開放弦が入ってますが、ダイアグラムとフォームが同じになる事が解りますでしょうか。Gdim=C#dim=Edim=Bbdimです。

Gdim5

▲開放弦を使ったGディミニッシュのフォームです。4フレットに指を伸ばすより、こちらのフォームの方が使いやすいです。

同じフォームのディミニッシュ

このように、ディミニッシュ・コードは全て同じフォームで押弦できます。ルート音として記されている音を、押弦している指の何処かに入るポジションに移動させれば、それが、そのルート音を押さえたディミニッシュ・コードになります。1つのポジションで4つのディミニッシュ・コードを押さえていることになります。

音名は全部で12個あります。1つのポジションで4つのdimが押さえられるなら、上記の3ポジションで、全てのディミニッシュを押弦したことになります。

何故ルート音が違う?

1つの押さえ方で、4つのディミニッシュが押さえられるなら、何故CdimなりAdimなり表記が異なるのでしょう?表記を3つだけに統一した方が分かりやすいのでは?

ここでのディミニッシュの法則は、あくまでウクレレにおいての話になります。本当は、これら4つのコードは違うものなのです。ピアノやギターでは、それぞれのルート音に対して、別々のフォームで押弦することになります。ウクレレは楽器の特性上、ルート音の概念がありません。低音弦がないからです。よって、ウクレレにおいては、共通するフォームと言うのが存在してしまいます。

同じフォームの秘密を理論的に解き明かす

ディミニッシュ・コードが同じフォームで押弦できる謎を解き明かします。まず、音程はCからCまで12音あります。

scale4

隣あった音程の隔たりを”半音”と呼びます。C#=Dbのように重複しているものもありますが、音程は全部で12個です。

ディミニッシュ・コードは4つの音を構成音として含んでいます。例えばCdimなら以下の構成音になります。

dim_code_note7

各構成音は、隣り合った音と半音3つ分(1音半)離れています。構成音全て、隣り合った音と同じ隔たりを持つことが、ディミニッシュ・コードの特徴になります。このような構成音の特徴は、オーギュメントとディミニッシュに見られます。各構成音が同じインターバルなので、どの音がルート音になっても、コードを構成する音は変わらないことになります。

dim_code_note8

本来、コードはルート音が一番低い音に位置していなければなりません。しかし、ウクレレはルート音を低い音程に配置することができません。低音弦がないからです。ウクレレのコードは全て、ルート音の高低を無視して押さえています。ディミニッシュも例外ではなく、ルート音の高さを無視して、構成音をただ集めただけのボイシングでコードを押さえます。

ルート音となり得る音程は全部で12個あります。4つのディミニッシュが同じ構成音を持つならば、ポジションは3つしかないと言う事です。

ディミニッシュ・ポジション 1 dim_C_F#_Eb_A dim_C
ディミニッシュ・ポジション 2 dim_D_F_Ab_B dim_Ab
ディミニッシュ・ポジション 3 dim_C#_E_G_Bb dim_G

オーギュメントは3つの構成音で、隔たりが2音あります。4つのポジションで全てのaugを押さえる事ができます。

aug2

まとめ

このように、ディミニッシュやオーギュメントは、構成音の隔たりが全て同じコードなので、ルートの音程の高さを無視すれば、全て同じ押弦フォームになるということですね。

これ以外にも、構成音の同じコードは幾つかあります。例えば裏コードと呼ばれるG7(b5) Db7(b5)や、開放弦を鳴らした時のコードC6 Am7のように、名前は違えど同じフォームで押弦できます。色々なコードと友達になって、自由に操れると、色々な音楽を弾く事ができます。

 金髪センセー

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