自粛要請期間限定コラム vol.11 「イメージトレーニングの活用法」

皆さんこんにちは!!RGSギター教室、ギター講師の武谷です!

昨今のコロナ騒動で、各楽器店の音楽教室は休講に追い込まれています…
RGS荻窪校は、感染拡大の防止に細心の注意を払いながら、教室の運営を予定通り実施しておりますが、それでもやはり生徒さんのお休みが多くなっております。

生徒の皆さんはいかがお過ごしですか?
自粛期間といえども、楽器の練習は休まないようにお願いしますね!笑

自粛要請期間は、お休みの方も多いので、期間限定で「ちょっと勉強になる、楽器を練習したくなる」そんなコラムを投稿していこうと思います!!

★VOL11「イメージトレーニングの活用法」

以前、クラシック・ギタリストの村治佳織さんがTVに出演されていて、怪我により活動を休止していた時期のお話をされていたことがありました。(村治佳織さんは、2005年10月頃から右手後骨間神経麻痺(橈骨神経麻痺)により演奏活動を休止し治療・静養に入り、2006年1月に復帰しています。)TVでは司会の方が「治療・静養期間に、演奏技術は低下しませんでしたか?」という内容の質問をされ、それに対して村治佳織さんは「イメージトレーニングしていたので大丈夫でした。」という内容の返答をしていました。それを見ていて、当時の私は「そんなことが出来るのか!?」とかなり驚いたのですが、今では「あるレベルに達すれば、そういうことも可能だろう…」を思えるようになりました。それは、自分も実際にイメージトレーニングを練習に取り入れ、演奏技術の向上に繋がる経験をしてきたからです。人間のイメージの力は思いの外強力です。今日は、そんな「イメージとレーニング」に関して考えていきたいと思います。


★イメージトレーニングとは脳の訓練

ある研究によると(楽器なしで)イメージのみで行う練習でも、楽器ありで行う練習の60%~70%ほどの練習効果が出るらしいです。良く考えてみると、腕、手、指など人間の身体の各部位は脳からの指令で動きますよね。だから、楽器の演奏とは、腕、手、指などを鍛えているのではなく、脳を鍛えていると言うことも出来そうです。練習することは、楽器を演奏する際の脳の働きを、楽器を上手く弾くという行為に最適化しているとも言えるのではないでしょうか。というふうに考えると、イメージトレーニングってとても効果がありそうですよね?

★いつもの練習にイメージトレーニングをプラスしよう~具体的な練習方法~

練習で演奏を始める前に、一旦落ち着いて、自分が上手に演奏している姿や、曲の部分ごとの音楽的な性格についてイメージしてみましょう。そうすることで、落ち着いて全体を見る視点が養われると共に、楽曲に対しての理解も深まりますよ。

まず、実際に楽器を使って演奏を始める前に、楽譜を読んだり、音源を聴いたりして、曲のイメージを固めておきましょう。曲のイメージとは、感情面では曲全体から受ける雰囲気や、セクションごとに変化する情緒性のこと。演奏面では、曲全体の構成をしっかり把握した上で、各セクションを具体的にどのように演奏するかを考えることなどです。いきなり難しいフレーズを闇雲に練習する前に、一度楽譜を見ながら(音源を聴きながら)、自分が演奏しているイメージをしてみると良いでしょう。そうすることで、落ち着いて楽曲と向き合うことが出来るのです。皆さん、日々の練習が部分ごとのフレーズ練習になっていませんか?フレーズは単体では意味を成しません。フレーズは前後の関係、また全体との関連性の中に常にあるわけです。従って、曲全体をイメージし、セクションごとの意味づけを自分で考えるのは、良い演奏をする上でとても大切なことなんですね。最初は難しく感じるかもしれませんが、これを習慣にすると音楽的な表現が洗練され、良い演奏が出来るようになってきますよ!


★私のイメージトレーニング活用術

イメージトレーニングの手法は、今紹介したもの以外にも数多ありますが、私が取り入れているイメージトレーニングの手法を一つご紹介します。私は、YouTubeで自分が興味のあるジャンルの海外のトップ・ミュージシャンの演奏を毎日観ています。また、自分が尊敬するミュージシャンのライブに良く行きます。そこで、超一流のプロ・ミュージシャンの演奏を観て、その演奏を脳裏に焼きつけます。そして、脳裏に焼き付けたその人の演奏を脳内で何度もプレイバックするわけです。電車に乗っているとき、自転車を漕いでいるとき、いつでもプレイバックできます。プレイバックするだけでも効果はあると思いますが、それだけでなくその人のフォームを真似て自分が楽器を弾いている姿を想像するのです。なぜこんなに自然体で弾けるのか、なぜここはこのような手の動きになっているのかを考えながら、想像力を発揮して脳内で演奏してみるのです。ただしこのときいちいち言語化する必要はなく、自分のフォームと比較しながらひたすら真似て演奏するだけで良いのです。要するに、大事なのは身体感覚をイメージするということなのです。イメトレの際は、体のどこを使うか、どのような動きをするかなど、できるだけ具体的な動きを想像するのがポイントです。その後、実際に楽器を触って演奏すると、イメージの自分と現実の自分との差異が明確にわかります。どうすればイメージ通りに演奏することが出来るのかを考えながら、さらに練習しましょう。練習を重ねるうちに、イメージと実際の動きが一致してくるはずです。

上手な演奏をするには、効率的な筋肉の使い方、力のかけ方を学ぶことが大事です。効率的な筋肉の使い方、力のかけ方を学ぶということは、その楽器を弾くことに適した身体の使い方を学ぶということです。プロの演奏を観て、その身体の使い方を真似ることの意義はここにあります。脳内で真似る、イメージトレーニングは本当にお勧めです。普段練習する前にちょっと取り入れるだけでも、効果を発揮しますよ。生徒の皆さんは、先生の演奏を目に焼き付けて、いつでも脳内リピート出来るようにしましょう!


●最後に…
皆さん、一連のコロナ騒動で楽器を練習するモチベーションが落ちていませんか??笑
自粛要請期間は、自宅にいる時間が長くなっている方も多いと思います。であれば、逆に楽器をじっくり練習する機会とポジティブに捉え、いつもは出来ない練習方法で練習する、もしくは、新しい曲に挑戦するなどなど、音楽をより一層楽しむための活動をしていきましょ~!!皆で協力して、前向きな気持ちでこの大変な時期を乗り越えていければと思います!!それでは、本日も練習頑張ってください!!

RGSギター教室 ギター講師 武谷健

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