スチールギター B11チューニング
スチールギター B11チューニング
Steel Guitar B11Tuning
スチールギターのチューニングは、弾く音楽ジャンル、プレイヤーよって使い分けられています。現在ラップスチールで主に使われているのは「C6」チューニングですが、ダブルネックのスチールのもう一つのチューニング方法として使われることも多い「B11チューニング」について見てみたいと思います。
B11チューニング
B11チューニングで全ての演奏をすることは、おそらく、多分、少ないと思いますが、ダブルネックの上段にB11チューニングをしている事はよく見られます。通常では「C6」をメインに使っており、ソロ・プレイや状況に応じて、B11に切り替えて弾くプレイヤーも多いようです。B11はC6では得られない独特な響きを得ることができます。具体的にチューニングの方法を見てみましょう。
B11チューニング方法(B11 Tuning method)
まずは、6弦のチューニングを見てみましょう。以下の表に記したようにチューニングします。ここでポイントとなるのが、C6チューニングとの違いです。実はB11チューニングは、C6チューニングの「2弦を半音上げる」「4弦を半音下げる」「5弦を半音下げる」「6弦を半音下げる」といった具合になっています。半音の違いしかないので、C6のセット弦をそのまま使うことができます。B11チューニング用のセット弦はあまり見かけないですが、C6のセット弦がそのまま使えるのです。
※表に記したゲージは、おおよその目安です。まったく同じものでなくても、近いゲージならば問題なく使えます。
弦 | 音程 | ゲージ |
1 | E | .014 |
2 | C# | .017 |
3 | A | .020 |
4 | F# | .024 |
5 | D# | .032 |
6 | B | .038 |
8弦のチューニング(B11 Tuning for 8Strings Steel Guitar)
8弦で使用する場合は、低音弦を追加します。「6弦をC#に上げて」「7弦をB」「8弦に追加のA弦を」張ります。これにより7thを含む低音弦の広がりが増え、演奏の幅が広がります。通常ダブルネックは8弦のモノが多いので、B11は8弦でのプレイが多いですかね。
※表に記したゲージは、おおよその目安です。まったく同じものでなくても、近いゲージならば問題なく使えます。
弦 | 音程 | ゲージ |
1 | E | .014 |
2 | C# | .017 |
3 | A | .020 |
4 | F# | .024 |
5 | D# | .032 |
6 | C# | .036 |
7 | B | .038 |
8 | A | .042 |
B11チューニングのコード その1
B11チューニングは、コンビネーション・チューニングとも呼ばれる独特なチューニングの仕方です。1ポジションに複数のコードが含まれているので、弾く弦を選んで摘む事によって、コードを弾き分けることができます。コードを摘む弦と、ポジション移動によって多くのコードを弾く事ができるということです。したがって、ブロッキングや正確なピッキングがより求められるということにもなります。
具体的なコードの配置を見てみましょう。まずは1~3弦によるメジャーコードです。B11と名前が付いていますが、実は、1~3弦の開放がAコードになるというポジションの捉え方を多く使います。4弦まで含めるとA6になります。5弦を抜けばA69になるので、解放弦=Aメジャー・コードとして捕らえることができるのが解ると思います。7フレット=Eメジャー、5フレット=Dメジャーで3コードの出来上がりです。
弦 | 音程 | コード | コード |
1 | E | A | A6 |
2 | C# | ||
3 | A | ||
4 | F# | ||
5 | D# | ||
6 | C# | ||
7 | B | ||
8 | A |
B11チューニングのコード その2
C6チューニングと同様に、6thコード=マイナー7thとしても解釈できますので、マイナー・コードも1ポジションに含まれています。2~4弦がF#mになります。また、「3弦、4弦、6弦」「8弦、6弦、4弦」も同様にF#mです。1弦~4弦でF#m7コードになります。「2弦~6弦」のどこを弾いてもF#m6コードになります。正確にコードを弾き分けるには、ピッキングテクニックが重要になりますね。
弦 | 音程 | コード | コード | コード |
1 | E | F#m7 | ||
2 | C# | F#m | F#m6 | |
3 | A | |||
4 | F# | |||
5 | D# | |||
6 | C# | |||
7 | B | |||
8 | A |
B11チューニングのコード その3
Bコードを見てみます。Bコードは、11thチューニングですから、7th系のコードにふふなります。2~8弦全てが9thコードになりますので、どこを弾いても7thコードの響きを得ることができます。ざっくりストラムすれば、B7コードになるということです。2弦と6弦、1弦を抜けばテンションの無い4和音の7thコードです。C6では1ポジションで得ることの出来ない7thらしさを簡単に弾く事ができます。
弦 | 音程 | コード |
1 | E | |
2 | C# | B9 |
3 | A | |
4 | F# | |
5 | D# | |
6 | C# | |
7 | B | |
8 | A |
B11チューニングのコード その4
最後にB11チューニングの最も特徴的なコードを見てみます。B11は3~5弦でDimの響きを得ることができます。2弦~5弦ですとハーフ・ディミニッシュと呼ばれるD#m7(b5)になります。このディミニッシュ・コードがB11の独特な響きの大きな要因となっています。
弦 | 音程 | コード | コード |
1 | E | ||
2 | C# | D#m7(b5) | |
3 | A | D#dim | |
4 | F# | ||
5 | D# | ||
6 | C# | ||
7 | B | ||
8 | A |
このように、B11チューニングは、1ポジションに「メジャー・コード」「マイナー・コード」「7thコード」「ディミニッシュ」の4種類のコードが含まれています。7thやDimを弾く事ができるのは、C6チューニングとの大きな違いになるのが解ると思います。7thコードは多くのテンションを含んでいるので、演奏の広がりがでることも容易に想像ができるでしょう。まずは、B11チューニングの基本をしっかり覚えておきましょう。
B11B11チューニング、コードモーションの例
B11チューニングのコード演奏の例をあげておきますので、弾いてみて下さい。7コードやDimコードの響きが独特ですね。B11チューニングの響きを感じてみて下さい。
金髪センセー