ウクレレで分数コード(オンコード)を押える

ウクレレで分数コード(オンコード)を押える
分数コードを取り上げてみましょう。ウクレレでハワイアン以外のポップスやジャズを弾こうと思ったとき、ウクレレ用にアレンジされていない譜面しか手に入らない場合、分数コードをどう押えたら良いか解らない事があると思います。ハワイアンでは、あまり分数コード等使いませんし、ウクレレの教則本にも取り上げられてはいないと思います。ウクレレで分数コードを押えるポイントを見てみましょう。

分数コードとは
分数コードとは分母の音をルート音にしたコードです。onコードという表記の仕方もありますが、同じものと思って下さい。G/F#とG(onF#)は同じ分数コードです。オンコードとも呼びますが、同じ事を表しています。

oncode1-1分数コードの種類
この分数コードの中にも種類があります。まず、分母の音が分子のコード・トーンに含まれている場合、これを回転系と呼びます。回転系は前後のコードから、ベース・ラインをスムーズに繋ぐために用いられる事が多い分数コードです。

oncode2-1oncode3-1回転系の押弦
ウクレレで回転系の分数コードを弾く時は、分母の存在を無視してしまって結構です。分子のコードを押えて弾きます。低音弦のないウクレレは、ルート音のボイシングなど無視して全てのコードを押えています。

oncode4-1転系ではない分数コード
回転系じゃない分数コードはどんなもんなんでしょう。実際のコード・ネームを見てみましょう。

Dm/B
B音をルート音としたDmコードです。Dmのコード・トーンは「DFA(レファラ)」です。Dmのコード・トーンにB音は含まれないので、回転系ではないですね。このコードはどんなコードなのでしょう?分数コードとしてそのまま捉えると難しく感じますが、B音をルートにした4和音と考えるとどうでしょう。B音がルートなので、D音→b3、F音→b5、A音→7th、コード・ネームは→Bm7(b5)になります。これなら普通に押さえられますね。ポジションは下のダイアグラムを参照して下さい。

oncode5-1Gdim/A
dimのコード・トーンを考えただけでも頭が混乱しそうです。これもA音をルートとした5和音で考えてみましょう。Gdimのコード・トーンは「G Db Bb Fb」A音をルートとすると、G音→7th、Db音→3rd、Bb音→b9th、Fb音→5th、となります。コード・ネームはA7(b9)になります。5個の音で構成される和音なので、何か1音省略する必要があります。じゃ、A7を押えればいいかな?と思いたくなりますが、b9thはオルタード・テンションなので、結構印象的な響きをします。これを省略するのはどうかな。それに、A7(b9)とGdimはもともと代理関係にあるコードです。この様なコードは、分母を省略してGdimを弾く方が良い場合が多いです。

oncode6-1Em7/A
コツが掴めてきましたか?これもA音をルートとしたコードに置き換えてみましょう。Em7のコード・トーンは「E G B D」A音をルートとして考えると、E音→5th、G音→7th、D音→11th、B音→9th。あれ?3rdがないぞ。このコードは何でしょう?oncode7-1

Em7/AはA音をルートにした時、3rdがないA11と捉えると良いでしょう。ギタリストには11thコードを弾くときに3rdを省略して押さえると言う暗黙の了解みたいなものがあります。3rdがなくても、11thの入った7th系コードは、その機能を保つ事ができます。これも5音構成になるので、1音省略しなければなりません。コードの機能に影響の少ない5thを省略して、下の様に押さえるといいでしょう。G/Aと同じになります。G/AもA11thと同じ機能があるのです。どうしてもE音を省略したくない場合はG音を省略して、押さえるのもいいでしょう。これも状況に応じて変えてみましょ。

押弦の仕方
実際にウクレレで押えるのに、このように理論的な解釈をしていては大変なことになります。単純にフォームを考える方法を覚えておきましょう。

回転系の分数コード
分母は無視して、分子のコードを押える

回転系ではない分数コード
分子のコードを押えて、何処かの弦で分母の音を押えます。分子のコードを押えた時に、重複する音を押えていたら、その一つを分母の音に置き換えると良いでしょう。oncode8-1

ウクレレでも色々なコードの響きを表現する事ができますね。分数コードは一見難しそうに見えますが、少し考えると解るようになっていきます。懸念せずに色々なコード・フォームを押えて響きの違いを楽しんで下さい。

金髪センセー

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