C6/A7チューニング

C6/A7チューニング


 今回はC6/A7チューニングについて見てみたいと思います。このチューニングは名前からも分かる様に、一つのポジションに二つのコードが含まれている、いわゆるハイブリッド・チューニングになっています。
 基本になっているチューニングはC6なのですが、C6チューニングに足りない部分を補う様にA7を配置している所がポイントになります。では、具体的にチューニングの仕方と弾き方を確認してみましょう。

チューニングの仕方
 まず、チューニングのやり方ですが、普通の6弦C6チューニングから、6弦だけ半音上げます。C6チューニングで6弦はCの音に合わせてありますが、これをチューナーを使って半音上げて「C♯」にして下さい。1〜5弦はC6のまま一切変えずに、6弦を変えるだけなので、非常に簡単ですし、専用ゲージの弦も必要ありません。

7thコード
 このチューニングはC6の足りない部分を補う為に使われます。具体的には、C6チューニングで鳴らす事の難しい7thコードを弾くことができる様になります。C6で7thコードを弾くには、省略した形で弾いたり、2ポジションに渡って弾いたり、スラントをしたりと、何か工夫をしなければいけないのですが、このチューニングなら7thコードを1ポジションで「じょろーん」と鳴らすことができるようになります。

 7thコードを弾けるというだけのことなので、大したことないように思うかもしれませんが、C6チューニングを弾いていると、7thコードの処理が簡単にできるというのは、とても大きな事なんです。ポジションの逃げ場がある安心感みたいなものもあり、より幅の広い演奏を期待することができます。しかも、今まで通りのC6チューニングの演奏性は殆ど変えずに、7thコードのポジションを追加する事ができるのもすごいです。

音の配置
 音の配置は以下のようになっています。追加された7thコードは、低音弦の4本になります。6弦から3弦までの4本です。1弦から5弦までは、通常通りのC6チューニングとして弾きます。

コード・ポジション
 コードポジションは、C6の基本ポジションから、3フレット上に7thコードが配置されています。例えばコードFは5フレットが基本ポジションなので、そこから3フレット上の8フレットの6弦から3弦がF7コードになります。コードCなら12フレットなので、15フレット、または3フレットの低音弦4本がC7コードになります。6弦しかチューニングを変えてないので、1弦から5弦はいつも通りのC6ポジションで考えることができます。高音部のC6ポジションと、低音部の7thポジションが一つのフレットに共存しているのですが、C6の基本ポジションの3フレット上が7thコードであると捉えておくとコードの位置関係が分かりやすいです。

低音部7thコードの弾き方
 この低音部の弾き方ですが、7thコードの響きを十分に活かすために、やはり4本の弦をストラムで弾き抜くのが良いでしょう。ストラムで弾くときは、ピッキングを3弦でしっかり止めて、2弦1弦の音を鳴らさない様にします。2弦と6弦は半音でぶつかるので、同時に鳴らない様にケアしておくのがポイントです。人指指を3弦に構えたトップ・ノート指定で弾ける様にしておくといいです。

 高音部の弦の配置はC6チューニングなので、いつも通りの7thコードのランニングももちろん使うことができます。低音部のストラムと、高音部のランニングを組み合わせると、コード・ワークのパターンが一層広がります。逆にメロディーやハーモニーに6弦を使用するということが、C6チューニングと同じ発想ではできなくなるのですが、そもそもそんなに6弦でメロディーを弾いたりはしないと思いますので、どうしても6弦でメロディーを弾かなければいけないのであれば、その時に対応を考えればいいでしょう。

まとめ
 C6/A7チューニングはハワイアン・スチールギターの名手「ジェリー・バード」が使用していたことで広く使われるようになりました。このチューニングには7thコードのポジションがあるので、ポジションに対する安心感と、ハーモニーの広がりを持っていることが特徴になります。またC6の演奏スタイルを大きく崩すことなく7thコードを付加しているのは、とても大きなポイントです。主な演奏は高音部で行うので、C6チューニングから移行することも簡単にできます。C6チューニングで7thコードが弾けるなんて、なんだかワクワクしてきますね。色々なフレーズを弾いてみたくなります。簡単で便利なハイブリッド・チューニング「C6/A7チューニング」を是非試してみて下さい。

金髪先生

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