スチール・ギターのバー徹底検証

バー徹底検証

スチールギターのバーは、色々な形や大きさのモノがあります。
バーの重さによって音質や音量に変化がうまれますが、その違いを検証してみましょう。

今回は5種類のバーを用意してみました。大きさの異なる一般的な円錐形のバーを3つ、軽量な三角のバーと、レールタイプのバーです。

大きさと重さを計量し、コードと単音を弾いて、それぞれの波形を見てみます。波形を比較することで、音量やサスティンの違いが視覚的に明確に分かると思います。

バーは手に持たず、弦に置いた状態で、弦がビビらないギリギリの強さでピッキングします。バー自身の重量で弦を押さえているので、バーを持つ力が加わっていない状態でどれだけ音を鳴らせるのかが分かります。

バーは12フレットに置きコードをストラムした波形と、2弦を単音で弾いた波形を取ってみます。
ギターはグヤトーンのHG-306、カノウプスOEMです。


直接インターフェイスに挿したライン入力の音を波形にしますので、癖のない音質のインターフェイス「RME FireFace400」を使用します。

三角のバー
先端に向けて細くなっているので、手にフィットしやすく持ちやすく感じるのが特徴です。サイズは小さく、重さも113gと軽いです。

弦振動でバーが遊んでしまい、かなりソフトタッチでないと綺麗に音を鳴らす事が出来ませんでした。波形を見てもかなり小さいのが分かります。上がコード、下が単音の波形です。


レールタイプのバー
指に合わせて加工してあるので、持ちやすいバーです。重さは167gと、このタイプにしては大きい方です。

音の立ち上がりはとても良いですが、伸び具合はもう少し欲しい感じがします。アタック感の良さは単音でもわかります。やはりラップ・スチールより、ハイパワーなペダル・スチールの方が合っていると思います。

DUNLOP
ダンロップ製の少し小さ目のバーです。短く軽いので、手の中に収まってしまうサイズのバーです。重さは138gと、三角のバーより少し重いくらいです。

これもかなり優しく弾かないと綺麗に音がなりません。特に低音部は弦振動にバーが負けてしまうので、強い音を鳴らすのは結構難しいです。高音弦の立ち上がりは良いですが、少し音の線が細く感じます。


一般的なバー
普通のバーです。8cmを超えるバーは10弦まで対応できます。重さは200gを超えているので、しっかりと重量を感じます。

波形の大きさが今までとはまったく違います。音の伸びも音圧もしっかり確保されています。ピッキングの力を意識しなくても自然と綺麗な音が鳴りました。


Emmonsのバー
今回最も大きいサイズのバーです。重量感はありますが、手に余る感じは無く持ちやすいです。ペダルスチールに対応する十分なサイズがあります。

音のバランスがよく伸びのよい音がします。ピッキングのストレスもなく、どの弦も均一に鳴らすことができます。音圧とサスティンの良さが波形からも見て解ります。

各バーの波形はこのようになりました。

こうしてみると、バーの重さが、音量や伸び具合に及ぼす影響が良く分かります。バー自身の重量で弦をしっかり押さえることができれば、バーを持つ手にかかる力は少なくて済みますが、重さに慣れが必要です。バーの持ち心地や重さは、演奏に影響する大事な要素なので、色々なバーを試して、自分に合ったバーを使うようにして下さい。

金髪センセー

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