ギター小ネタドリル vol.24「コード・カッティングのキレを磨こう!8ビート編」

みなさん、こんにちは。RGSギター講師・仲野です。

本日はコード・カッティングのエクササイズです。
カッティングと言えば、16ビートで軽快なリズムを刻む演奏を想像しますが、まずは8ビートから、ブラッシングとタイも含んだリズム・パターンを自由自在に弾けるようになることが先決です。

今後16ビート編も用意しますので、本日はじっくりと腰を据えて8ビートを弾きましょう。
カッティングとは「音をリズミカルに切ること」と定義していますが、右手と左手のコンビネーションが重要になります。

カッティングの説明の前に、まずは右手が担う「キレのあるストローク」について説明します。


●右手のポイント

ストロークの「キレ」とは何でしょうか?
キレとは「切れ味」のことなので「鋭さ」と言い換えることができます。

音そのものを発音する役割である右手。当然、右手の動き方がサウンドに直結しますので、鋭いサウンドにしようと思うと、鋭い動作にしなければなりません。ではキレのあるコード・ストロークをするにはどのような動かし方がベストなのでしょうか。

それはピックを振り抜く「スピード」を上げることです。
手首のスナップを使い、スピーディに6弦から1弦までピックが抜けていくことで、和音が「ひとつのカタマリ」となって聞こえます。
腕から手首が固く、うまくスナップが使えない方はなかなかスピードが出ないかもしれません。
当然、締まりのないサウンドになってしまいます。

ここで気をつけてもらいたいのが、右手を「鋭く、鋭く」と意識し過ぎるあまり、ピックを握る力が強くなってしまったり、ピックが弦に深く当たり過ぎてしまうことです。

一見、力強いサウンドが鳴るので鋭いストロークのように聴こえますが、無駄な力が入り過ぎてリズムや強弱がコントロールしにくくなってしまいます。

ピックは軽く握り、弦の表面を滑り抜けるくらいの浅さで振り抜くことを意識してください。

 

●左手のポイント

では左手はどのようなことを意識すれば良いでしょうか。
左手は正確なコード・フォーム、スムーズなコード・チェンジをすることはもちろんですが(別途これだけを練習する時間を作ってください)、カッティングをする上で最も重要なポイントが、「力を入れるタイミングと抜くタイミング」をタイトに(ジャストなリズムで)切り替えることです。

特に「力を抜くタイミング」が重要で、カッティングのキレは左手で生み出すと言っても過言ではありません。
ブラッシングでのミュートが甘かったり、タイミングが遅れたりするだけでも締まりのないサウンドに聴こえてしまいます。

音をリズミカルに切るということは、力をリズミカルに入れたり抜いたりするということなので、それをあらゆるパターンでメリハリをつけて切り替えできることが不可欠となります。


今回は8ビートのコード・ストローク・エクササイズで、左手のコントロールをしっかりと意識しながら練習しましょう。

 

【Ex-1】

最初のエクササイズはシンプルに「ブラッシングを綺麗に鳴らすこと」がポイントです。すべてバレー・コードなので、ネック裏に下げた親指を中心に力のコントロールを行ってください。
各小節1拍目オモテでコードを鳴らし、ウラですぐに左手の力を抜きブラッシング音にします。一瞬で力を抜き切ってください(指板から浮かないように注意)。ここのタイミングが遅れたり、力の抜き方がゆっくりだとブラッシングが雑に聴こえてしまいます。
コード・チェンジの瞬間はもちろんブラッシングしながら、さりげなくポジション移動しておいてくださいね。


【Ex-2】

続いては左手コントロールのパターンがやや複雑になります。よく見てみましょう。1~2拍目と3~4拍目は同じリズム・パターン。カッティングでは最初に譜面をじっくりと睨み、共通する部分はないか、左手の動きをイメージするなど、パターンを読み解くところから始めるのが良いです。
ここは「ウラ拍で鳴らし、直後のオモテ拍でブラッシングにする」ことが課題になるでしょう。慣れるまでなかなか難しいパターンです。これでもスピードが速ければYouTubeで再生速度を75%にしてご覧ください。

【Ex-3】
最後はタイとシンコペーションを組み合わせてみました。ウラ拍・・・つまりアップ・ピッキングでコード・チェンジするので、左手自体かなり忙しくなります。「直前のブラッシングの瞬間に次のコードにスルスルっと移動しておく」のがポイントです。
すべてのエクササイズは、必ずオルタネイト・ストロークで弾いてください。

あくまでも(左手の力を入れて)コードを鳴らすタイミングと、(左手の力を抜いて)ブラッシングにするタイミングを、メリハリをつけて切り替えることが主題になってます。
シンコペーションやコード・チェンジに気を取られ過ぎないよう、1小節ずつでも良いので丁寧に左手コントロールの練習をしてくださいませ。

まだまだコロナの収束には時間がかかりそうですが、ギターの練習を日々の励みにして頂ければと思います。