ペダルスチールギター ニーレバーの役割

ペダルスチール ニーレバーの役割

ペダルスチール・ギターにはいくつものペダルとニー・レバーが付いています。これらニーレバーは特定の弦の音程を変化させることができますが、具体的にどうなっているのかは分りづらいものです。レバーが、何弦にどのように作用するのかを見てみましょう。

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ニーレバーの役割
ペダルスチールのニー・レバーがどの弦にどよのように作用するかは、楽器を制作する前、設計する時に、既に決められています。従って、これを使用者が自由に変更することはできません。ペダルスチールは、チューニングも決められており、チューニングに合わせてニー・レバーが取り付けられています。E9thチューニングでは2~4本のレバーが付けられており、C6チューニングでは2~5本付いているのが一般的です。各レバーが作用する弦は1本~2本です。

ニーレバーの名称
レバーの呼び方はレバーの位置によって以下のように分けられています。

左足の左側のレバー→LKL

左足の右側のレバー→LKR

右足の左側のレバー→RKL

右足の右側のレバー→RKR

LとRで位置を表し、Kは「Knee」の頭文字です。楽譜に表記する際には、スッキリ記譜する為に「LKL→D」、「LKR→E」、「RKL→F」、「RKR→G」としたりします。これは、楽譜や使うギターによっても違うので、通常あらかじめ書き方とチューニングを譜面に表記しておきます。LKLが「D」から始まるのは、E9thのフロア・ペダルがA~Cまである都合です。

大事な2レバー
E9thチューニングで大事な2つのレバーがLKLとLKRです。2レバーのギターの場合、右側についているタイプももあります。右側についているタイプは、LKL=RKR、LKR=RKLになります。これは8弦と4弦の音程を変えるレバーで、LKRが半音下げる、LKLが半音上げることになります。8弦と4弦はどちらもE音ですので、LKRがE音をEb音に、LKLがE音をF音に変えることになります。

4レバータイプのペダルスチールでも、RKLやRKRは機種によって作用する弦が異なりますが、LKLとLKRは必ずこの組み合わせでセットされています。それだけペダルスチールにとって、この2本のレバーはとても大事なものになりますので、ここでは、この2本のレバーについて見ていきます。

LKLの主な使い方
LKLは8弦と4弦を半音上げるレバーです。ではこれを実際にどう使うのかを見てみましょう。バーを8フレットに置いて考えます。バーが8フレットなので、ペダル操作の無い状態ではCコードのポジションです。4弦と8弦はC音なので、LKLを操作することでC音がC#になります。コードポジションである3弦から6弦、8弦、10弦を見るとGEC#の音程になります。これはコードA7のコードトーンであることが分ります。

8フレット 操作  操作後の音程 A7コード
1弦 D
2弦 B
3弦 E E
4弦 C →LKL C# C#
5弦 G G
6弦 E E
7弦 D
8弦 C →LKL C# C#
9弦 Bb
10弦 G G

しかし、これではルート音であるA音は入ってないですね。そこで、Aペダルを併用してみましょう。Aペダルは5弦を1音上げるので、G音がA音になります。LKLとAペダルを同時に踏むとコードAになりますね。

8フレット 操作  操作後の音程 Aコード
1弦 D
2弦 B
3弦 E E
4弦 C →LKL C# C#
5弦 G →Aペダル A A
6弦 E E
7弦 D
8弦 C →LKL C# C#
9弦 Bb
10弦 G →Aペダル  A A

LKRの主な使い方
LKRは8弦と4弦を半音下げるレバーです。8フレットで音程を見てみましょう。8弦と4弦のC音がB音になり、9弦を除く全ての音がBEGDとEm7コードのコード・トーンになることがわかります。LKRを単体でそうさするとIIIm7になることがわかりますね。

8フレット 操作 操作後の音程 Em7コード
1弦 D D
2弦 B B
3弦 E E
4弦 C →LKR B B
5弦 G G
6弦 E E
7弦 D D
8弦 C →LKR B B
9弦 Bb
10弦 G G

では更にBペダルを同時に加えてみましょう。Bペダルは3弦と6弦の音程を半音上げるペダルです。8フレットではE音がF音になります。LKRとBペダルを同時に踏むと「GDBF」の音程を8フレットで得ることができます。G7コードですね。

8フレット 操作 操作後の音程 G7コード
1弦 D D
2弦 B B
3弦 E →Bペダル F F
4弦 C →LKR B B
5弦 G G
6弦 E →Bペダル  F F
7弦 D D
8弦 C →LKR B B
9弦 Bb
10弦 G G

まとめ
ペダルスチールのレバーはLKLとLKRの2レバーが基本になります。LKLは「VI7」、Aペダルと組み合わせて「VIメジャー」のコードになります。LKRは「IIIm」Bペダルと組み合わせて「V7」のコードになります。レバーとペダルを組み合わせることでコード・トーンを構成させることになります。実際にフレーズに活かせるようにするために、組み合わせ方と各コードネームをしっかり覚えておきましょう。

金髪せんせー

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