ペダルスチールギター ペダルの役割 C6
ペダルスチール ペダルの役割 C6
ペダルスチール・ギターにはいくつものペダルとニー・レバーが付いています。これらのペダルは特定の弦の音程を変化させることができますが、具体的にどうなっているのかは分りづらいものです。ペダルやレバーが、何弦にどのように作用するのかを見てみましょう。
※ここでは、C6チューニングでのペダル動作について見ていきます。1弦はG音にしていますが、D音にチューニングする方法も多く使われています。
E9のペダルについてはこちら→ペダルスチール ペダルの役割 E9
ペダルの役割
ペダルスチールのペダルやニー・レバーがどの弦にどよのように作用するかは、楽器を制作する前、設計する時に、既に決められています。従って、これを使用者が自由に変更することはできません。ペダルスチールは、チューニングも決められており、チューニングに合わせてペダルやニーレバーが取り付けられています。
ここでは、C6thチューニング、10弦、5ペダル、2レバー、の楽器を見てみます。これは、8弦のペダルスチールでも使われているチューニングであり、ダブルネックの手前側のチューニングでもあります。
ペダルやニーレバーの数は機種によって異なります。また、使用するプレイヤーによって特注で作られているものも多いので、できるだけ一般的な仕様とキモになる部分を取り上げてみてみましょう。
フロアに取り付けられてペダルをそれぞれ4番~8番ペダルと呼びます。ダブルネックのギターでは左にE9th用のペダルがA~Cの3つ取り付けられているため、4番から数を数えます。シングルネックのタイプでは、左の3つはありませんが、ここではダブルネックを想定してこのように呼ぶことにします。
ペダルを踏み込む事でシャフトを動かし、ブリッジのコマにあたるチェンジャーを動かして弦の音程を変えます。「踏み込む」という動きはシャフトを「引っ張る」事になるので、弦を「引っ張る」事になります。よって、ペダルは”基本的には”音程を「上げる」操作をします。チェンジャーの方式によって、シャフトを引張ることで音程を下げるPull方式と、シャフトを押すPush方式のペダルもあります。一つのペダルで複数の弦を同時に変化させる事ができます。
5番ペダル
左から2番目に取り付けられた「5番ペダル」を見てみましょう。C6のペダルでよく使われるペダルの一つです。5番ペダルにあてがわれた一般的なセットアップの弦は、「1弦、5弦、9弦、10弦」です。しかし、機種によっては、1弦以外の3本であったり、10弦は無かったり、4弦も追加されていたりします。要するに、キモになる所は5弦と9弦になり、仮に5番ではないとしても、この2本がアサインされているペダルが必ずあると思っておきましょう。
具体的な役目を見てみます。5番ペダルは5弦を半音下げ、9弦を半音上げます。1弦は半音上げ、10弦は1音上げます。
1弦 | G | → | G# |
2弦 | E | E | |
3弦 | C | C | |
4弦 | A | A | |
5弦 | G | → | F# |
6弦 | E | E | |
7弦 | C | C | |
8弦 | A | A | |
9弦 | F | → | F# |
10弦 | C | → | D |
これだけ考えると解りずらいですが、これは、2フレット下の7thコードを完全な形にするものと考えると納得がいきます。例えば12フレットのCコードを見てみます。12フレットにバーがいる状態ではCコードを鳴らす事ができますね。C7コードを弾きたい場合、バーを10フレットに移動させますが、この時、同時に5番ペダルを踏むと、10フレットの音程が「Gb、D、Bb、G、E、D、Bb、G、E、C」となります。1弦のb5thを除くと、C9thのコード・トーンになっている事がわかります。
このように5番ペダルは7thコードを鳴らすことができるのが解ると思います。以下が5番を踏んだ時の10フレットの音程です。
1弦 | Gb |
2弦 | D |
3弦 | Bb |
4弦 | G |
5弦 | E |
6弦 | D |
7弦 | Bb |
8弦 | G |
9弦 | E |
10弦 | C |
6番ペダル
次に6番ペダルを見てみましょう。6番は2弦と6弦に作用します。6番も多く用いられ、他の弦が追加されるようなことは無く、2弦と6弦のペダルとしてセットされています。2弦は半音上げ、6弦は半音下がりますが、具体的な音の配列がどうなるのかを見てみましょう。
1弦 | G | G | |
2弦 | E | → | F |
3弦 | C | C | |
4弦 | A | A | |
5弦 | G | G | |
6弦 | E | → | Eb |
7弦 | C | C | |
8弦 | A | A | |
9弦 | F | F | |
10弦 | C | C |
6番を踏んだ時に作用する弦と音程の関係は上の表にに記したとおりです。ペダルを踏んだ状態でF9thのコードになるのが一目見て解るので、ペダルの解釈もしやすいですね。12フレットで言うとノンペダルでコードC、ペダルを踏むとサブドミナントのF、6弦に7thのEb音が配置されているため、7thへの対応もしやすいということになります。
6番ペダルを踏んだ時の12フレットの音程です。
1弦 | G |
2弦 | F |
3弦 | C |
4弦 | A |
5弦 | G |
6弦 | Eb |
7弦 | C |
8弦 | A |
9弦 | F |
10弦 | C |
7番ペダル
7番ペダルを見てみましょう。7番ペダルは3弦と4弦に同時に作用します。このペダルも、このセットで用いられることが多いペダルです。ペダルを踏むことでIIIm7のコードトーンになり、ボトムのC音を加えてCmaj9コードへ変わります。また、ペダル操作を交えて単音を弾くことで、メジャースケールの音を1ポジションで網羅することもできるので、メロディー・プレイでの使用も多いペダルであると言えます。
1弦 | G | G | |
2弦 | E | E | |
3弦 | C | → | D |
4弦 | A | → | B |
5弦 | G | G | |
6弦 | E | E | |
7弦 | C | C | |
8弦 | A | A | |
9弦 | F | F | |
10弦 | C | C |
5番+6番ぺダル
5番ペダルと6番ペダルを同時に踏んでみましょう。以下のようになりますが、3弦から9弦の音に注目して見ます。音程を検証すると、Cdimのコード・トーンになっているのが解ります。ディミニッシュを1発で鳴らすことはラップ・スチールではできないですが、ペダルではこのように綺麗にディミニッシュを鳴らす事ができます。ペダルならではのトーンはこのように作られているわけです。
1弦 | G | → | G# |
2弦 | E | → | F |
3弦 | C | C | |
4弦 | A | A | |
5弦 | G | → | Gb |
6弦 | E | → | Eb |
7弦 | C | C | |
8弦 | A | A | |
9弦 | F | → | Gb |
10弦 | C | → | D |
C6ペダルのチューニングチャート
チューニングチャートをみて、ペダル動作についてよく覚えておきましょう。ここに記しているものは、よく使われているものの一例です。楽器によって、ペダルの配置は違うので自分のギターのチューニングは良く確認しておきましょう。
※5~7番のチューニングが大事な所です。これと違うペダルの配置になっているものも多くあります。
C6チューニングはE9に比べ、テンションの豊富な豊かな響きの和音を鳴らすのに適しているということが伺えます。Jazz等で使われる際にはC6の豊かなコードの響きが活きてきますね。7thを活かしてカントリー系のプレイでも使う事ができます。C6の特徴を存分に発揮して、コードをふんだんに使ったプレイで、広がりのあるプレイを目指してみましょう。
金髪センセー
E9のペダルについてはこちら→ペダルスチール ペダルの役割 E9