スチールギターのピッキング

スチールギターのピッキングについて
スチールギターは、サム・ピックとフィンガー・ピックを使って弦を弾きます。ピックの使い方とピッキングの仕方について見てみましょう。

サム・ピック
サム・ピックは親指に付けるピックです。ピックの輪になった部分に親指を入れて固定します。しっかり固定されるように、深くまで指を入れます。少しうっ血する感覚にみまわれます。輪の大きさや厚みはピックによって様々なので、色々試して、指にフィットするモノを選ぶと良いでしょう。一般的に使われるのは、写真のタイプのピックです。ピック部分の大きなものや、鉄製のものもありますが、それらは殆ど使われません。このタイプのモノを購入しましょう。Danlop製のピックは、街の楽器屋さんでも販売しているので、購入しやすくお奨めです。サム・ピックはプラスチック製なので、ピッキングを繰り返すと削れます。150円前後で売っているので、2、3個まとめて買っておくと良いでしょう。

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▲サム・ピックを親指に付けたところ

フィンガー・ピック
フィンガー・ピックを人差指と中指に付けて弾きます。ピックを付ける向きに注意して下さい。フィンガー・ピックは、新品を買うと、指を固定する部分が緩くなっています。各自の指に合わせて、しっかりと固定されるように、ペンチで大きさを調整します。人差指に比べ中指の方が太いと思いますので、輪の大きさにも違いが出来るハズです。毎回大きさを確認してそれぞれの指に付けましょう。

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▲フィンガー・ピックをつけたところ。向きに注意
Pick11
▲自分の指に合わせて調整しておきます

フィンガー・ピックは鉄製のモノを使います。プラスチック製のモノも売られていますが、音質、弾き心地等の面から、使用しない方が良いでしょう。指を固定する部分が2股に分かれているモノが、固定をしやすく、指への負担が少ない為お奨めですが、少々値がはります。100円~700円位の値段の違いがあり、人差指用x1、中指用x1、予備x2と考えると、かなりの差額が生じるので良く考えて買いましょう。

ピッキング
サム・ピックを付けた親指は、手前から奥に押しだすように、低音弦側から高音弦側に向けてピッキングします。ギターで言う所のダウン・ピッキングと同じ動作です。フィンガー・ピックを付けた人差指と中指は、これと逆の向きで、高音弦側から低音弦に向けて引き寄せるようにピッキングします。ピックが弦に当たる角度が鋭角になると、弦を引っ掻くような異音がします。ピックが弦に平行に近い形で当たるように、手首を低音弦側に持って来て構えます。

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▲サム・ピックで5弦を弾く直前 ▲ピックを押しだすように5弦を弾いたところ
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▲4弦を弾く直前 ▲ピックで手前に引っ掻くように4弦を弾く

単音のピッキング練習
単音を弾く場合、親指と人差指を交互に弾く事が多いです。同弦のフレーズも、異弦のフレーズも、親指と人差指を交互に弾くピッキングが基本になると思っておきましょう。

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▲親指と人差指で同弦を弾く構え

複音のピッキング練習
複音を弾く場合は、弾く弦によって使う指が異なります。組み合わせは「親指+人差指」「親指+中指」「人差指+中指」の3種類です。これら指のチョイスは、フレーズの前後の指使いによって変わりますので、法則を見出すのは難しいです。どの組み合わせも使う事が出来るようにピッキングに慣れておきましょう。

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▲人差指+中指の複音ピッキング

コードのピッキング練習
コードは3つの指を同時に弾く事で鳴らします。ストロークをすることもありますが、ここでは省略します。右手を見ないで目的の弦をピッキングできるようにしておくことが大事です。繰り返し練習しているうちに、弦の位置が解ってきます。正確に弦を捉えるのは結構難しいですので、気長に練習してみましょう。

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▲3本弦同時にピッキングする構え

ピッキング位置
ピッキングの位置はスチールギターの機種によって、若干の違いがあります。ブリッジに右手の手套が触るくらいに構えて、ピックアップ直上よりヘッド側をピッキングできると良いでしょう。スチールギターの種類によっては、ボリューム・ノブが邪魔になり、ピッキングしづらい場合は、少しヘッド側に右手を移動させます。1ピック・アップのギターは、ピック・アップから少しヘッド寄りをピッキングすると丁度良いことが多いですが、これもボリュームの位置や、ピックアップの位置によってまちまちです。どちらにしろ、ピックアップの真上にピックがいると、ピックでピックアップを叩いてしまうことがあります。これは避けましょう。また、ピッキングに慣れていないと、指板の上にピッキング位置がずれてきてしまいます。右手はブリッジ付近にいる事を意識しておくといいでしょう。

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▲ピッキングの位置はこの辺りを基本とする

ピッキングは難しい
スチール・ギターに限らず、ギターもウクレレもバンジョーもマンドリンも、全て右手が重要で、難しいです。初心者のうちは、左手の押弦やフォームに意識が向きがちですが、最終的には右手の精度が演奏のキモになります。右手の使い方で、良い音、安定したプレイをしています。そしてピッキングは時間をかけて練習しなければ、習得できません。いきなり出来なくても当然なので、気長に練習してみましょう。楽器は、そんなに直ぐには上手くなりません。毎日の練習が大切です。コツコツ練習を重ねてみましょう。

金髪センセー

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