スチールギター レビュー Canopus

Canopus スチールギターレビュー

Canopus-1

今回は「Canopus」のスチールギターを見てみたいと思います。初期型の珍しいタイプのスチールギターですが、繊細に丁寧な作りで、現在でもとても良い音を鳴らしています。

ブリッジはこのようなタイプになっています。初期型に見られるストップテイルピースですが、スチールギターには珍しい裏通しで弦を止めるようになっています。ボデー裏にはテレキャスに見られるようなブッシュが埋め込まれています。ボディ振動の影響をもろに受けて、若干音が暴れる感じになりますが、これもこの機種の特徴になります。

実はこのブリッジ、弦の間隔が刻まれていません。弦を張る時はブリッジのバーにフリーで弦を置いていかなければならず、少しでも弦がずれると、各弦間がバラバラになってしまいます。従って、弦を張り替える時には、弦をブリッジに置く位置に細心の注意をはらっておかなければなりません。旧式のブリッジ構造にはこのような機種も多くありましたが、昨今はブリッジに加工が施されているのでこのような心配はありませんね。

PUは1つですが、通常のシングルよりも少しハイパワーになっています。Canopusは1PU仕様の機種が多く見られますが、十分な出力があるので、非常に扱いやすいです。トーンコントロールは3段階切り替えと通常のローパスの2つ仕様なのは他の機種と同じです。この2段トーンコントロールはCanopusの特徴にもなってますね。多彩な音を手元でコントロールできるのは実用性があって良いポイントです。

ブリッジ部の弦間は約10mmです。フェンダーが約0.9mmなので、比べてみると若干広く感じます。違和感がある程ではありませんので、直ぐに慣れますが、少しだけ広くなっているようです。ナット部の弦間は約0.8mmです。これも後期のYS-8と同じサイズで設計されているようです。

ヘッド部はよく見るプレートがはめ込まれています。Canopusのヘッドは、本体を加工してペグだけを取り付けたタイプが特徴的ですが、プレート仕様も作られていたようです。プレート仕様とペグのダイレクトマウントではやはり音質に差が出るでしょう。音の締まり具合やサスティンに違いがでますが、どちらが良いという問題ではないので、好みによる所になるでしょう。

ボディーはマホガニー。肉厚なボディーが特徴のCanopusですが、厚さは約47mmなのでフェンダーとほぼ同じサイズ感になっています。脚も3本なので、持ち運びにもそれ程苦にならないのは良いところです。

Made In Japanのプライドを感じるとても丁寧な仕事を伺うことができる楽器です。音の特徴としては、弦の分離が良く、中域に寄った鳴り方をします。若干音が暴れる感じは、先に解説したように構造の特徴に寄る所でしょう。低音域のふくよかな響きがもう少し欲しいと感じる方もいるかもしれませんが、存在感のあるリード・プレイにはとてもマッチしているように思います。個人的には単線のメロディーや速いパッセージ、アドリブ・ソロ等をガツガツ弾きたくなる音に感じます。音の違いはFenderのDLXと弾き比べてみましたので、こちらを参考にして見て下さい。

金髪せんせー

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