スチールギター ハンマリングとプリング

スチールギター ハンマリングとプリング
スチール・ギターでメロディーを弾く際のテクニックの一つ、ハンマリング・オンとプリング・オフについて見てみましょう。エレキ・ギターやアコースティック・ギターでは頻繁に使われるテクニックですが、スチール・ギターでもメロディーを弾く際に使われます。しかし、フレットを指で押弦するギターと違い、スチール・ギターでは1本のバーで弦を押さえているため、開放弦を含めたアプローチに限られてしまいます。詳細を見てみましょう。

ハンマリング・オン
ハンマリング・オン(以降ハンマリング)は、弦をフレットに叩きつけるように押えて発音させるテクニックです。ピッキングは初めの1音のみ行ないます。通常のギターでは、連続したハンマリングができますが、スチール・ギターでは、ハンマリングだけを同一弦で連続して弾く事はできません。また、開放弦から任意のフレットへのハンマリングしかできません。よって、使われるKeyやコードに限りがあります。ハンマリングを表す記号は”H”を使います。以下の譜面のように表されています。h_1ハンマリングのやり方
ハンマリングは開放弦からのアプローチに限られています。従って、1音目は必ず開放弦を弾く事になります。開放弦を弾く為には、バーを一旦持ち上げなければなりません。プレイの途中で何時でもバーを持ち上げられるように慣れる必要があります。バーの持ち方を再度確認しておきましょう。開放弦を弾いたらバーを弦に叩きつけるように置くと、バーの位置の音がピッキング無しに鳴ると思います。これがハンマリングです。この時、あまり強く叩くと弦が沈み込んでしまい、音程が高く鳴ってしまうので注意しましょう。また、バーよりヘッド側の弦は、ハンマリングと同時に左手の薬指、小指でミュートすると綺麗な発音ができます。メロディーでのプレイが多くなると思いますので、ティップ・ポジションで弾く練習を始めにしておくのも良いでしょう。

プリング・オフ
プリング・オフ(以降プリング)は押えているバーを勢いよく離すことで発音させるテクニックです。バーを離す事で音を鳴らすため、任意のフレットから開放弦への音しか出す事ができません。発音のさせ方から、ティップ・ポジションでのみ行なわれるテクニックになります。ハンマリング同様に、同一弦で連続して弾く事はできません。プリングを表す記号は”P”を使います。以下の譜面のように表されています。p_1プリングのやり方
プリングは任意のフレットからティップ・ポジションを使って、バーの先に弦を引っ掛けるような気持ちで弦をはじきます。バーの先は曲線になっているため、実際に弦を引っ掛けるわけではありませんが、バーの動作がそのようになるように心がけます。プリング前の音はレギュラー・ポジションで発音していてもかまいません。プリングに向けて弦を押さえたままティップ・ポジションに変えることができれば、コード・プレイの途中でフィルを入れるような事もできます。まずは、メロディー・プレイの中でプリングを入れる練習をしてみるのがいいでしょう。慣れないうちは、バーに弦が擦れる金属音が多く鳴ってしまい、耳障りな音になりがちです。バーが弦を離れる瞬間の時間を短くすると、このような金属音が鳴らなくなります。バーが弦から離れるタイミングを掴んで、素早い動作で弾けるようにしてみましょう。

ハンマリングとプリングの連続
ハンマリングプリングを連続して弾くこともあります。通常のギターのようにトリル(連続したH+P)を弾く事は少なく、H+Pの1回だけで、プラルトリラーやモルデントを弾く事が殆どです。メロディーに対して非常にインパクトのある装飾音を付ける事ができます。連続プレイでは、バーが捉える弦を間違えたり、ノイズが鳴りやすかったりします。単体でそれぞれのテクニックを良く練習してから取り組んでみましょう。hpスチール・ギターのテクニックは通常のギターのように多くはありません。ここで取り上げたハンマリングやプリングも、使われる場面が限られることになります。それは、先にも述べたように、開放弦を絡めたアプローチしかする事ができないからです。使われるKeyやフレーズに制限ができてしまいます。しかし、これらのテクニックを使って弾くと、印象的なフレーズを弾く事もできます。色々なハンマリング、プリングを使ったフレーズを模索してみて下さい。

金髪センセー

lesson