ギター小ネタドリル Vol.20 「インサイド・ピッキングとアウトサイド・ピッキング」

Vol.20 「インサイドとアウトサイド。二通りのピッキングを制覇せよ!」

ダウン・ピッキングとアップ・ピッキングを交互に繰り返すことを「オルタネイト・ピッキング」と呼びます。
ギターのピッキングではオルタネイトを使用する頻度が高いのですが、重要なのは「スムーズに弦移動できるか」どうかです。特にビギナーは弦をまたぐときにピックが引っ掛かったり、空振りしてしまいピッキングが安定しません。

そこで今回紹介するエクササイズを日々意識して練習してもらえば、弦移動時のピックの軌道をコントロールしやすくなり、上達への近道となりますので是非トライしてみてください。

今回は新しいワードを覚えてもらいます。

「インサイド・ピッキング」
「アウトサイド・ピッキング」

ピッキングの練習は無意識に何度も練習していても上達はしません。必ず「ピックの軌道」や「弦を狙う」という感覚をしっかりと意識しながら練習してください。それぞれのピッキングを解説しましょう。

インサイド・ピッキング
まずは「インサイド・ピッキング」。弦移動するときのピッキングが、下方の弦をダウン、上方の弦をアップで弾きます。例えば1弦と2弦を弾く場合は、1弦がダウン、2弦がアップになります。
右手のピッキング・モーションは非常に小さくなり、正確なコントロールには慣れが必要となります。

アウトサイド・ピッキング
続いて「アウトサイド・ピッキング」。弦移動するときのピッキングが、下方の弦をアップ、上方の弦をダウンで弾きます。例えば1弦と2弦を弾く場合は、1弦がアップ、2弦がダウンになります。
ピッキング・モーションは大きめになりますがリズムが取りやすいというメリットがあります。

オルタネイト・ピッキングはダウンとアップを繰り返すパターンですが、弦移動する際には、「インサイド」と「アウトサイド」のいずれかのピッキングに当てはまります。そこで、それぞれのピッキングを意識してトレーニングし、得意や不得意なパターンが生じないようにしてもらえば、どのようなフレーズでも対応できるピッキングが手に入ります。
それではレッツ・トライ!

【Ex-1】
アウトサイド・ピッキングのエクササイズです。弦移動を「外側」から狙うので、3弦と2弦をアップ、4弦をダウンで弾きます。弦をまたぐため右手はやや大振りとなりますがリズム・コントロールがしやすいでしょう。左手は人差指のジョイントを使ってますが、音が重なってしまっても構いません。動画ではテンポ100で弾いてますが、始めはゆっくりから練習しましょう。

【Ex-2】
続いてインサイド・ピッキング。弦移動を「内側」から狙うので、3弦と2弦がダウン、4弦がアップになります。1cmにも満たない弦と弦の間を、小さなピッキング・モーションで弾くので右手が暴れてしまわないようにグッと堪えて弾きましょう。右手をコントロールできるかどうかが鍵になります。2小節目以降は弦跳びも登場するので、難易度が一気に上がります。

【Ex-3】
最後はインサイドとアウトサイドを真ん中から切替えたパターン。フィンガリング・パターンも少しだけ難易度を上げました。左右ともに意識を向けなければならず一筋縄ではいかないはず。繋げるのが難しければ1~2小節と3~4小節をわけてじっくり練習してください。

これらのエクササイズがスムーズに弾けるようになれば、インサイドもアウトサイドも理解した上で瞬時の切り替えにも対応できるということですので、ピッキング・レベルはグンと上がっていることを保証します。
また、楽曲のコピーをしているときに、「ここはインサイドで弾こうかな」「アウトサイドの方がラクに弾けるな」など自分でピッキング・パターンをチョイスできるようになります。演奏者として一段上に上がるためにも、コツコツとピッキングの練習を続けてください。