ペダルスチールギター 「Push Pull」チューニングの仕方

ペダルスチール

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Pedal Steel Guitar Push Pull Tunning Guide

▲Push Pullのチェンジャー部です

ペダルスチール・ギターのチェンジャーは幾つかの種類があります。セッティングやチューニングの仕方がそれぞれ違いますが、中でも最もチューニングのやり方が解りづらいであろう「Push Pull」方式のチェンジャーのチューニングについて見てみましょう。

guitar2「Push Pull」のチェンジャー
Emmonsに代表されるチェンジャーの方式で、その名の通り、「Push(押す)」と「Pull(引く)」の動作でチェンジャーを動かします。これに対して、全て「Pull(引く)」だけで音程を上げ下げさせるシステムを「All Pull」と呼び、ペダルやレバーに繋がれたシャフトを引張ることで音程を変えています。音程を下げる時、コマをリリースさせる方式を「Pull Release」と呼び、比較的安価な機種はこの方式が多いです。Push Pullのチェンジャーは下の写真のようにコマが「対(つい)」になっており、Pushで動くコマがPullで動くコマに連動しています。具体的なチェンジャーの仕組みは別の頁で解説しますので、今回はチューニングの仕方に絞って見てみましょう。

→PushPullチェンジャーで音程が変わる仕組み

※今回はE9thチューニングの方法について見てみます。

はじめに
Emmonsの「Dー10」を使って説明していきます。ここでは、チューニングの仕方だけを追っていきますので、ある程度初期セッティングがしてあることを前提としていおきます。弦を張り替えたら、ある程度の音程まで開放弦のチューニングをペグで合わせます。これは通常のラップ・スチールと同じです。

可変の無い弦、例えば9弦や7弦は、ペグによるチューニングをするだけで良いです。1弦や2弦にもペダルやレバーが噛んでいないこともあると思います。これらの弦は、通常のギターと同様に、ペグでしっかりチューニングしましょう。

チューニングの基本
「Push Pull」のチューニングは高い音から合わせていきます。E9thの最高音は3弦ですが、そういう意味ではなく、その弦の高い音程から合わせると言う意味です。ペダルスチールの弦は、ペダル操作をすることにより音程が変わりますね。「ペダル操作をした状態で最も高い音」、その音程からチューニングをしていきます。

例えば、5弦の開放弦はB音ですが、Aペダルを踏むことでC#音になります。よって、開放弦よりペダルを踏んだC#音の方が高い音程になるので、C#音から合わせていきます。6弦の解放弦はG#音ですが、Bペダルを踏むことでA音になりますので、ペダルを踏んだ状態のA音を始めに合わせ、解放弦のG#音は、A音を合わせた後に合わせることになります。この順番を守ることはスムーズにチューニングをする上でとても大事な事になりますので、しっかり覚えておきましょう。

また、チューニングに使うチューナーは出来るだけ精度の高いものを使うことをお奨めします。ペダルスチールのチューニングはかなり繊細なものになります。クリップ・チューナー等で済ませずに、プラグ・インができる制度の高いデジタル・チューナーを使いましょう。

4弦を合わせる
E9thチューニングで初めに合わせる弦は4弦が良いでしょう。4弦はCペダルで1音上げ、LKLで半音上げ、LKRで半音下げと、1本の弦に対するアクションの数が一番多い弦になります。従って、この厄介な弦を最初に片付けてしまいましょう。

4弦で最も高い音はCペダルを踏んだ時のF#音です。まずこのF#音から合わせます。ペダルを踏み込んだ状態でペグを使ってF#音に合わせます。弦は引っ張られることで、若干伸びたり、ボールエンドやペグの弛みが取れるので、何度かペダルを踏みなおしてチューニングしましょう。また、CペダルはBペダルと同時に使用する事が多いので、チューニングする時も2つのペダルを同時に踏み込んでおくといいでしょう。

Cペダルの次に4弦の高い音程はLKLのF音です。CペダルとLKLは同じシャフトで4弦の音程を変えています。従って、LKLを操作した状態でのチューニングをすることはできません。LKLのチューニングは、シャフトの可変量を調整することになります。LKLに繋がった4弦のシャフトを見てみましょう。シャフトの左端に下の写真のようなネジが付けられていると思います。これを調整することで、シャフトの遊びを変えることでき、LKLがシャフトに作用する可変量を決めることができます。予め調整がされていれば、さほど調整する必要はないですが、このネジの存在は頭に入れておきましょう。

次に高い音程は、開放弦の音程です。「Push Pull」で開放弦をチューニングする場合は、ボディーエンドのプレートに取り付けられたネジで行います。ネジは上下に別れて2つ付いています。下のネジを開放弦のチューニングに使います。これは、ペダルやレバーの操作によってPullされたチェンジャーが、どの位置に戻るのかを決めるネジです。ペダルによって操作されたチェンジャーが元に戻った所(ミドル・ポジション)が開放弦の音程になります。開放弦の音程をこのネジで調整しましょう。ネジを締めると音程が高くなり、緩めると低くなります。ネジの頭は、写真のように結構奥に引っ込んでいます。レンチが入りずらいので、よく見て調整するようにしましょう。

最後に最も低い音程はLKRのEb音です。LKRを操作した状態で、エンドプレートの上部のネジでチューニングをします。これは、レバー操作によりPushされるコマが、どのくらい稼働するかを決めるネジです。Push側のコマは音程を下げるコマであり、この稼働量により、音程の下がる量を調整できます。上のネジと同様に、締めると音程が上がり、緩めると下がります。

これで一連の作業が終了です。再度1から順に確認をして、正確に音程を合わせましょう。

「Push Pull」のチューニング
「Push Pull」のチューニングは上記の4弦と全て同じ要領で行うことができます。ペダルやレバーによる操作で音程が上がるようなら、ペダル操作をした状態のままペグで音程を合わせます。高い音程を合わせたら、ペダルやレバーを戻して、エンドプレートの下部のネジで開放弦のチューニングをします。続いてレバーの操作によって音程が低くなる弦は、ペダル操作をした状態でエンドプレート上部のネジでチューニングします。ペダル操作によって音程が上がらない弦は、開放弦をペグで合わせるだけです。全ての弦でこの作業を繰り返すことになります。

チューニングがうまく合わないようなら、セッティングを見直さなければなりません。シャフトの可変量やコマの可変量が経年と共に徐々に変わってきますので、定期的にチェックをしなければなりません。

チェンジャーの仕組みについてはこちらのページに記載しています。→PushPullチェンジャーで音程が変わる仕組み

チューニング道具
ペダルスチールのチューニングに必要な道具を見てみましょう。まず、何と言ってもチューナーは必需品です。クロマチックの出来るだけ精度の良い物を選びましょう。次に、エンドプレートのネジを調整するレンチが必要です。上下のネジは同じサイズのネジですので、1本用意しておけば良いでしょう。ペダルスチールのチューニングは、細かな調整が必要なうえ、1本の弦につき複数のチューニングが必要なので、非常に面倒です。そこで、E-bowを使って、弦を鳴らした状態のままチューナーを挿しておくと、いちいちピッキングをしなくて良いのでチューニングの効率が良くなります。飛び道具としても使うことができるので、1つ持っておくと便利です。

金髪せんせー

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pedalsteelペダルスチールの事もっと知りたい→ペダルスチールの記事はこちら
→ペダルスチールについて
→PushPullチェンジャーで音程が変わる仕組み

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